第7話
「ハッ、あなたのお姫様がそうだと言うんだから、そうなんじゃないの?」
鼻で笑う私に、渉の目が見開かれる。
「・・・弓?」
「・・・姫姫姫姫、ウルサいの。
そんなに彼女が心配なら、彼女に人生捧げればいいんじゃないかな?
あなたを愛すれば愛するほど、私の心に穴が空くの。」
私の頬に、ボロボロと涙が流れた。
一方的に彼女の言葉を信じた渉が。
これまで私より、彼女を心配してきた渉が。
私の心に空洞を造った。
もう・・・限界だったんだ。
「私、バイトなんだよね。彼女の【介抱】してあげれば?」
涙を拭って、踵をかえした。
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