第50話
side 万智
「今度さっ、買い物行こう!」
弾けるような笑顔でそう話しかけてくる真琴様は、嬉しそうで。
「真琴様、それは龍樹様に許可を頂かないことには‥‥、」
私の返答に、真琴様は口を尖らせた。
「ちょっと!様付けしないでくれる?真琴とお呼び。」
偉そうで嫌だと下唇を突き出す真琴様は、女王様のような口調の自分に気付いていないのか。
そのギャップが滑稽で、
「フフッ、分かりました、真琴。」
「ん!上等!」
思わず、笑ってしまう。
私と彼女は、主従関係。
敬語を外す事までは強要しないところに、彼女の気遣いを感じた。
「買い物って、余り行けないんですか?」
彼女は西の頂点に存在する人
そう簡単に買い物には行けないのかも。
私も傘下とはいえ、一応極道の家の娘。
買い物に不便を感じることは多々ある。
そんな私の質問に、真琴は苦い表情を向けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます