第44話

「そやなぁ、難しいかもしれん。

やけど君は、僕たちみたいに0%やない。」



「どういう意味でしょうか?」



翠様が心を許しているはずの龍樹様が0%なんて、私には信じられない。



首を傾げる私に、龍樹様は物憂げな目を宙に向けた。



「大切やとは思うてくれてるけど、僕らでは彼の"感情"を刺激することはできん。」



真琴様が龍樹様の背中を優しく擦る。


それに小さく頷いた龍樹様は、ニコリと微笑んだ。



「翠な、疲れて寝てしもうたわ。」



「・・・・は、ぁ、」



言っている意味が分からなくて、曖昧な返事を返す。



「翠は基本疲れん。いや、疲れを感じん、の間違いやな。

君の存在は、それだけ翠を疲弊させるということや。」



「それは、いいことなんでしょうか?」



疲れさせるのなら、私の存在は彼にとって重荷でしかない。

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