第43話
未来の私の行動を、約束することなんてできない。
未来は、絶対じゃないから。
だけど私は、いつか翠様を全力で愛したいと思う。
まだ淡いこの感情を、2人で育てていきたい。
人に感情を教える、なんて、したことがない事を出来るのかは分からないけど、
私のこの気持ちを、翠様に伝える事から始めたい。
「やけどなぁ・・・、」
龍樹様は渋い顔を私に向ける。
「いきなり嫁です言うて連れてったら翠は絶対に反発するわ。」
眉を下げた龍樹様に驚きの目を向けたのは、真琴様。
「はぁ?翠が反発?私は逆に自分の意志に反してでも話を受けそうだから心配してんだけど。」
私もそう思った。
翠様は、龍樹様に忠実で有名で、例え自分の意志に反してでも命令ならば必ず遂行する方だと有名で。
それは逆に、彼の自分自身に対する執着のなさの象徴にもなっていた。
「やからな?万智には真琴の世話係としてまずは本家に住んでもらう。
それから翠との距離をどうするかは、君自身に任せるわ。」
「・・・、できるでしょうか、」
さっきまでの翠様から伝わってきたのは、
絶対的な拒否。
私の部屋を去る時の翠様の体は小刻みに震えていて‥‥、
彼の深い闇は、私の前に大きな壁となって立ちはだかっていた。
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