第37話
私の膳は屈強な組員たちに比べて量がかなり少ない。
小さな頃から、食べ物は美味しく感じない。
何を食べても一緒ならばと、日に日に量は少なくなっていった。
最低限の量であれば体は動く。
早々に食事を終え、龍綺様のお茶の用意などに動いた。
ーーーーー、
食事を終え、光樹との約束の時間、30分前。
「到着したようです。」
「ん、通し。」
龍綺様の執務室で仕事をしていると、組員から光樹の早めの到着が告げられた。
「そんなに僕んとこ来たかったんかな。
こんなに好いて貰えて嬉しいなぁ?」
「そうですね。」
「・・・翠、君はツッコミを覚えないかんな。」
どうやら冗談だったらしいが、私にその様なユーモアスキルは皆無です。
こういったのは、
スパン!!
「着いた!?着いたらしいじゃん!?」
襖を勢いよく開き入ってきた真琴様にお願いしていただきたいものです。
しかし、目をキラキラと輝かせている真琴様に首を傾げた。
真琴様は今のところ、光樹がお嫌いなはず。
なぜこんなにも楽しみにしておられるのか‥‥、
疑問に思っている私を余所に、私が先ほど閉めたばかりの襖の向こう、組員の声が聞こえた。
「ご到着です。」
「ん、入り。」
龍綺様の言葉で、襖が静かに開かれた。
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