第36話

「翠さん、おはようございます!!」


「おはようございます。」



朝担当の見張りの若い組員に挨拶を返す。



私の日課は、屋敷中の見回りから始まります。



そして最後に厨房へ。



龍綺様の食膳を味見し、配膳も私自身が行います。



龍綺様は起こしに行かずとも、毎朝必ず同じ時間に起きて下さる為、助かっています。



真琴様も意外にも同じ時間に支度を終えて下さるので助かっていますが、あの派手な様相にかかる時間はかなりのものかと。



故に恐らく、彼女は龍綺様より早起きな様です。



「おはようございます。ご朝食でございます。」


「ん、おはよう。」


「おっはよーん。」



相変わらず朝からお似合いのお2人へいつもの様に膳を出した。



私が組員の先頭に座るのを確認すると、龍綺様が口を開いた。



「今日はな、新しい仲間が加わる予定や。皆さん仲良くしたげてや。」



「「「はい!!!」」」



組員の返事に満足そうに微笑んだ龍綺様が私に軽く頷く。


「では、いただきましょう。」



「「「いただきます!!!」」」



私の掛け声の元、思い思いに膳を楽しんだ。

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