第33話
光樹はそんな真琴の鋭い視線を無表情なまま静かに受け止めている。
僕はそんな光樹に微笑んだ。
「堪忍してや。香坂咲(こうさかさく)は真琴の親友でな。」
僕の言葉に光樹の顔が歪む。
「ッッ、すいません。」
「ええ。償って、罪を忘れなければな。
ここは西や。東で起こった事はこっちには関係ない。これからは僕の元で精進してや?」
「承知致しました。」
深く頭を下げた光樹を見て真琴は鼻を鳴らし、興味を失った様に視線を外した。
「・・・ここではなんですので、部屋へ移動しましょう。」
「ん、そやな。」
西宮に促され、僕の後ろを歩く真琴と共に歩みを進める。
光樹は東の事件以来足が悪く、僕たちの最後尾を足を引き摺りながらついてきていた。
部屋へ通されると、上座へと促される。
僕が座り、真琴が背後に腰を下ろすと、正面に座した西宮。
その後ろに娘とやや遅れて部屋へ入ってきた光樹が腰を下ろした。
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