第15話
式は、厳かに執り行われました。
真琴様は一瞬隼人様に苦々しい視線を送りましたが、他はとても嬉しそうに、終始口角を上げていました。
田島陣は笑顔でしたが、終始殺気を放ち、西も東も組員たちが青い顔をしていました。
そんな彼の殺気が鬱陶しかったのか、奏様は更に不機嫌になり、陣様以上の殺気を放っておいでで。
しかしそれをゆいか様は膝の上に手を置いただけで諌めてしまいました。
そのような環境だというのに、秋様は表情1つ変えず、春様は終始夏流様に笑顔を向けていました。
夏流様は、真琴様の白無垢姿に終始魅入っておいでで…可愛らしいと、思いました。
「今度はお前らが来い。うぜえ。」
この状況が心底めんどくさかったらしい奏様がそう吐き捨てたのをゆいか様が困ったように嗜め、お子様を連れて帰っていかれました。
しかし、私は気付いていました。
やっと結ばれた龍綺様と真琴様。
今日はほんの1分ですら、2人の時間を邪魔されたくはないはず。
そんなお2人の為に奏様は早く帰ったのです。
目に見える奏様は、無礼で自分勝手に見えますが、私から見た彼は、とても、優しさに溢れているように思います。
車に乗り込むは、彼の"幸せな家族"
ゆいか様の腰に手を当て、愛おしそうに車へと促す奏様。
三井鉄二(みついてつじ)と田島陣はそんなお2人を楽しそうに見つめ、前方へ乗り込みました。
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