第11話

真琴様は、その煌びやかな外見とは裏腹に、奥ゆかしい方でした。



結婚式はせず、本家で婚姻の儀だけをなさると。


派手好きは女性の習性だと思っていましたが、実はそうでない女性もいるようです。



ああ、そういえばゆいか様もそんなに派手ではありません。


私が唯一美しいと思う女性。



彼女の儚い雰囲気は、私の心に暖かな火を灯してくださいます。


そんなゆいか様は、今回お子様を伴って東の虎と一緒に証人としてご参加くださるそうです。



今年は、龍綺様が幸せの一歩を踏み出された年。



この時は思ってもみませんでした。



私はこの2ヶ月後、



不眠と暗闇に息を顰める、暑さに喘ぐ8月、



私は、貴方に会えました。




私ももう、25歳となりました。



この出会いは、私の残りの人生に少なからず影響を与えた。



歓喜に震え、不安に涙し、愛おしさに悶える。



龍綺様と真琴様を前に"見る"だけだった感情。



まさかそれを身を持って知ることになろうとは、思ってもいませんでした。

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