第4話
母から受け継いだもの。
サラサラと流れるプラチナの髪、
どれだけ鍛えても華奢なままな体。
しなやかな指先、そして、
世間から見れば整っているらしき、この顔。
色素の薄い銀色の目は、母のものよりも少し暗い。
しかし父は、そんな私を"愛した"
いえ、"母"を愛した。
そしてそんな父は、
私に知識と、教養と、経営学、そして護身術。
あらゆる教育を施し、その代償の様に私を"女"にした。
龍綺様と出会い側近になって、私の周りには女性が増えた。
彼女たちはこの容姿のせいか、私を誘う。
しかし、私の心に、体には、響かない。
私は恐怖した。
男を知ってしまった私は、女性を男として愛することはできるのだろうか、と。
男性を見ても欲情はしない。
しかし、女性にも感じない、"ココロ"
自室へ帰り、部屋の隅の姿見の自分は、何の感情も写してはいない。
さきほど・・・最期に涙し、命に縋る彼を美しいとは思わなかった。
しかし、羨ましいと、思った。
両親のどちらも、私に【感情】は残してはくださらなかったのだ。
あれだけのことを父にされても、浮かんでこない。
無
ただ、その一言だった。
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