第3話
「後処理をお願い致します。」
「はい。」
下の者が素早く"もう彼ではない物"を引きずっていく。
裏路地には、私1人。
「・・・・ハ、ァ、」
息苦しい。
8月に入り、茹だる様な暑さは、私の心を締め付ける。
母が亡くなり、
私が"女"になったのはこんな季節だった。
「クッ・・・、」
胸の前で、服を力一杯握り締めた。
イキグルシイ。
私の色の無いこめかみから、汗が流れ落ちる。
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