第55話
真琴の天使顔に手を合わせていると、鼻を鳴らした真琴は食器を片づけながら立ち上がった。
「新城さんが浮気なんてするわけねえじゃん。側近のくせに疑うなんて馬鹿じゃね?」
「・・・。」
心底馬鹿にしたような真琴の言葉に、少しだけ。少しだけね?カチンと来た俺。
「奏が2人きりの食事を許可した時点で異例なんだよ。」
吐き捨てられた言葉は思ったよりも尖っていて。
本気では疑っていないと思っていた自分が、思ったよりもそうではなかったという事実に、言葉を失った。
「いつもと違うってことは、新城さんの中で何か行動を起こすべきことが起こったってことだろが。ちょっとでも疑ってはしゃいでんじゃねえよブス。」
「・・・ブスじゃねえし。」
お前のようなもんはブスで十分だ。そう続けた真琴に苦笑いを零した。
「ごめんね、お兄ちゃんちょっと奏のゴシップに揺れ動かされてたよ。」
「近所のおばちゃんか。」
流石俺の妹。ツッコミも素敵だね。
そのあと、真琴のいってらっしゃいの頬キス(希望)で家を後にした俺。
・・・実際はピンヒールで蹴り入れられたんだけど。
まだ近所のゴシップおばさんな俺はゆいかちゃんに会うのが憂鬱だったけど。
「おはよ、隼人。」
フワリと笑う彼女のいつもの笑顔に、キョトン顔を向ける羽目になる。
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