第46話
side 隼人
「はぁ…。」
うん。ため息出るよね。
さっきの電話で決まった事項を伝える為に執務室の扉の前に立った俺の、ノックをしようとする手は全く動いてくれない。
多分俺の中で『危険だ!』と、叫ぶリトル隼人が両手でバッテンマーク作ってるからだと思う。
先ほど、近衛財閥の近衛瑠璃子(このえるりこ)社長とコンタクトが取れ、”接待”の日取りが決まった。
あっちの秘書の淡々としたしゃべり方に、理不尽な憤りを感じる俺。
お前んとこのトップ、ちゃんと手綱握っとけよと悪態を付きそうになったが、それはこちらにも言えることだとため息が漏れた。
それを今から報告するわけだ。
・・・万年筆が刺さったとこ、まだ痛いんだけど。
「はぁ…。」
コンコン…
もう一度ため息を吐いて扉をノックすれば、
「・・・・入れ。」
奏のいつも通りの無機質な声が返ってきた。
執務室に入る前の一瞬で考える。
ここはハッピーに、
「オッケー貰えたよ〜!?」
と笑顔で言うのか、
「若、”接待”の日取りが決まりました。」
とお堅くいくのか、
「失礼いたします。」
迷うよね〜?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます