第17話

side 奏



「え?」


「だから、これだけ最低でも刺されないんだよ?コツとか聞いたら?」



出た。ゆいかの天然が。


頬を引くつかせている隼人と弘人を前に、満面の笑みのゆいか。


「ゆ、ゆいかちゃん?俺のことしれっとディスってるよね?」


「え、ディス…何?」


最低と言われて眉を下げている隼人を不思議そうに見るゆいか。


そしてその様子に割って入った弘人は真面目に挙手をした。


「はい、弘人。」


それを指さしたゆいかを見て、教員をしているゆいかを想像した俺。



「俺は別に女の子に刺されたりしないんですけど…。」



申し訳無さそうにそう言った弘人に、ゆいかは眉間に皺を寄せた。



「2人共?」


「「へい。」」



真面目な顔になったゆいかに怯えた2人が仲良く返事をすると、ゆいかは身体をズイと近付けて口を開いた。



「そう思っててもね、恨まれてることだってあるんだよ?女性の扱いを無碍にしてたら呪われちゃうんだから!」


「「「・・・。」」」



真剣な表情のゆいかを笑えねえ俺達はどうすればいいんだ?



必死で笑いを耐えるも、隼人はすでに白目。


弘人は最早我慢しすぎて頬がフグみてえに膨らんでいる。


「クッ、」


「アハハハ!」


「もっ、ダメだっ、ギャハハハ!」


俺が小さく声を漏らしたのを皮切りに、奴らに限界が訪れる。

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