第16話

絶句の私と弘人、鬱陶しそうに舌打ちを吐き捨てた奏の冷ややかな目は、私達のリアクションに目を丸くしている隼人に向けられていた。



「え?なに?俺なんかした?」


私達の視線の意味にすら気付いていない隼人に、


「最低。」

私の冷たい声と、


「俺ここまでじゃなくない?」

どんぐりの背比べなくせして隼人より優位に立とうとしている弘人の弾んだ声。


「こんなやつのコネで行ったりしたら縁起がわりい。」

奏の吐き捨てた嘲りの声が飛ぶ。



「却下だ。」


女に呪われたプランなんて行ってられっか。なんて吐き捨てた奏は、ページをビリビリに破いてゴミ箱に捨てた。



「あー…酷くない?こつこつ集めたのにぃ。」


それを見ながら残念そうな隼人を見ていて、感じたこと。


私は弘人に向き直った。



「弘人!女の人に刺されない方法、隼人に習うといいよ!」

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