第14話
「とりあえず貸切りね。警備は多分本家巻き込んでの配員になるよ。発生する金はどうでもいいけど。」
「全然どうでもよくないからね?」
貸切りに組員さんたちの移動、昼食代…考えるだけで背筋が凍る。
「心配すんな。お前が行きてえなら明日にでも実現させてやる。」
「いやいやいや、無理だから。」
焦る隼人に流石の弘人も小刻みに首を縦に振って同意している様子。
申し訳ないけど…笑っちゃう。
「ふふっ、私が行きたいタイプの人だったら大変だったね?」
「それには感謝してます。」
素直にそう言った隼人にまた、笑いが込み上げた。
「買い物はどうだ?」
「それいつも行ってるでしょう?」
すぐに買い与えようとするんだから。しかも買い物に行くたびに、奏のオカシイ金銭感覚のせいで凄く疲れるし。
「疲れるからやだ。」
「ククッ、基本お前疲れるな。」
奏の指摘を否定もできない。
「も~。”普通”なんて無理だってぇ。いつもの通りベッドでいいじゃん!」
「お前が言うとキモい。」
完全に投げやりな弘人に奏が顔を顰めた時、考え込んでいた隼人が顔を上げた。
「こうなったらここは、アレでしょ?」
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