第13話

side ゆいか




「警備上無理だろ。お前マジでバカじゃね?」


「は?あ、明日とはっ言ってねえしっ!」



鼻で嗤う隼人と頬を染めて口を尖らせる弘人が言い合っている内に、それを呆れた目で見ている奏に体を預けた。



「ん?」


「ふふ、遊園地だって。」


「ああ。」



私の肩を引き寄せながら、奏はクツリと喉を鳴らした。



遊園地だって。確かに”普通”のデートかも。



「でも大変でしょう?」


「行きてえのか?」



奏の声が心なしか鬼気迫っている気がする。私が今行きたいって言えば、実現しそうで怖いな。


苦笑いの私は小さく首を横に振った。



「んーん。楽しそうだけど、いいかな。」


「チッ、そうか。」



爛々と輝いていた奏の目が、残念そうに沈んでいった。



「ゆいかちゃん?恐い事言わないでね?」



突然、隼人の強張った声が聞こえて。


視線を移すと、隼人と弘人が頬を引くつかせてこちらを見ていた。



「ん?遊園地?」



私の言葉に仲良く同時に頷いた2人。すると隼人は人差し指を立てて真剣な表情を向けてきた。



「奏とゆいかちゃんが遊園地に行くことで、何がどうなるか分かる?」


「・・・。」



顔色の悪い隼人から察するに、かなり大変なことになることは予想できる。

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