第12話
ーーー、
「さてみなさん、議題は【デート】続々とご意見を賜りたく存じます!」
「チッ、」
「もう、仕事に来ないと思ったら…」
「ふふ、」
下で待機していたんじゃないかと思わせるほどの速さで駆けつけた弘人と、下で俺を待っていたらしい隼人の恨めしそうな目に苛立ちを隠せない。
だけどゆいかはすげえ楽しそうで。なんとなく俺も緩む。
「意見言おうよ意見!」
「黙れ弘人。チャラ男には発言権無いし。」
「煩いよ銀髪。楽しむべき時に楽しまない奴なんてそれまでの人生だし。悲しい奴~。」
「あ”?もういっぺん言ってみろ。」
「何べんでも言うしバーカ!」
睨み合う馬鹿どもにとりあえず、
「黙れ。」
「「ごめんなさい。」」
拳骨をお見舞いした。
「映画は?」
「見たいの無いなぁ。奏は?」
「そもそも何やってんだ?」
「さぁ?」
俺たちを呆れた目で見ている隼人がムカつくが、映画なんて見たことがねえから仕方がねえ。
そんな俺たちに、パソコンを弄っていた弘人が画面をこちらへ向けながら満面の笑みで口を開いた。
「遊園地は?ここ。子猫ちゃんと行ったらヨカッタよ?」
「・・・なんだか卑猥に聞こえるんだけど、私の気のせい?」
「心配すんな。俺も今鳥肌立ったから。」
「え、酷くな~い?」
弘人に極寒の目を向けた。
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