第7話
「で?」
『でってのも酷いよね。最近ってか前から?俺の扱い酷くない?隼人以上、鉄さん未満ってとこ?』
「てめえの位置はその辺の女未満だ。」
『・・・それ、奏にはゴキブリより低いよね?』
めちゃめちゃ落ち込んだ声を出す弘人がキモくて。衝動に任せて通話を切ろうと決意した。
しかし…、
『あ、切らないでね!ちゃんと本題があるんだからっ。』
「チッ、」
あいつにはなんかキモいセンサーが付いてるらしく、危険を察知したらしい奴の焦った声音に、耐えきれない舌打ちが零れた。
『明日、一日かけて会議入ってたじゃん?』
「…ああ。KGOグループとの会議の話か。」
明日、新規のプロジェクトの打ち合わせで、一日かけての話し合いが設けられていた。
うちとしてはそんな長い時間を割く必要もないんだが、お互いを知り合っていた方がいいという相手の強い要望もあって明日一日のスケジュールをその為に空けていた。
「それがなんだ。」
眉間に皺が寄った俺の様子に気付いたらしいゆいかが、俺の手に指を絡ませて心配そうに見上げた。
少しでもそれを和らげたくて、ゆいかの額にキスを落とす。
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