第37話

ドールになりきれない物を、処分してあげていたらいつの間にか、ボクは別の場所にいた。


その時、ボクのお父さんのドールを見た気がするんだけど……どうだったかな?



ボクのお父さんは趣味が悪いんだ。


お父さんがいつも連れている、魔法のドールは、見た目は最悪な物ばかり。


しかも男。意味が分からない。



でもその中でも、マシだと思えるドール。それが、居た気がした。


ボクが連れてこられた場所は、ドールが沢山置いてある、素敵な部屋だった。



しばらくはそれで、遊んでいたけど……



生きているドールを知ってしまったボクには、なんだか物足りなかった。



だから抜け出した。


いつもみたいにボクが笑っていれば、ドールになりきれない物は油断するから。



さようなら。……一体。


次はドールになれればいいね。……二体。



次々と山積みになっていく、ドールになりきれない物たち。


こんなに多いなんて、お父さんは何を考えているんだろう?


お父さんの周りも、暇になったら整備してあげようと思う。




そして。



いろはを前にしたボク。


気持ちが昂ぶって、興奮する。



いろはを前にした瞬間、イッちゃったボクは、しばらく快感の余韻で動けなかったくらいだ。

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