第38話

side 康祐




俺は夏流と朔真の日常を最近知った。



入学してからだから・・・2ヶ月くらいか?



そんなに関係の浅い俺でも分かるのは、



"くっつき過ぎだ!"



初め、俺は【空気】だった。



ただ、夏流と朔真、そしてそれを眺める密人。


そこに誰かしら白虎のメンバーがいる、そんな日常。


それにただ金魚の糞みてえにくっついてただけなのは認めざるを得ねえ。



そんな中でも密人は、色々話してくれて。



そんな密人のお陰か、警戒していたバカっプルも話してくれるようになった。



惚れた女のいちゃつきに胸は痛むが、こいつらといるのは居心地がいい。



特別な境遇の家に生まれたせいか、俺自身に問題があるのか、今まで友人と呼べる人間が皆無だった俺には嬉しい事だ。



そして迎えた6月初旬。



「機嫌直せよ。な?」


「・・・・。」



朝、 カバンすら持ってねえ俺が教室に着いた時、 夏流はコエー笑顔を張り付けていつもの席に座ってた。



笑う夏流に、初期の俺の定位置だった机前に当時の俺と同じ姿勢で眉を下げるライオン。



心なしか耳と尻尾まで垂れてる気がする。



「・・・どうしたんだ?」



俺の不思議そうな声に返事を返したのはやっぱり密人で。


渦中にいる2人はそれどころじゃねえみたいだった。

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