第7話

「何かしら・・・、」



明け方までの情事のせいか、気怠い身体。



それに鞭打って佇んだままの朔真を追う。



「・・・、お前、服を着ろって!」



下だけ穿いた状態の朔真は振り返ると、未だに裸のままの私に抗議する。



「・・・・チラリズムを、ご所望かしら?」



「・・・ちげえ。」



仕方が無いから取り敢えずシーツを体に巻き付ける。



「で、どうしたのかしら?」



シーツを適当に巻いたせいであまり隠れていない私の身体に欲情の火を灯す朔真は、やはりチラリズム推進派らしい。



頬を染めたまま彼は、寝室の隣の部屋の机の上を顎で指す。



視線を滑らせれば机の上には私と朔真の制服と荷物。



「これが、どうしたのかしら?」



何が言いたいのか分からない私は首をコテンと倒す。



その反動か巻き付いていたシーツは半分剥がれ落ちる。



「いっ、いつここに置いたんだ?やべえ、見られてんじゃね?」



赤面が治る事の無い朔真は、可愛らしくも情事を見られたかもしれないことに挙動不信中。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る