第51話
side にこ
蓮池郁君は、私が今まで出会って来た男の子の中で一番、群を抜いてカッコいい。
今までバスケばかりで、恋愛らしい恋愛をしてこなかった私が初めて、バスケも手につかないくらい魅せられた、初めての人。
小学校のミニバスケから、バスケ一色の生活をしてきた私は、女バスの名門であるこの高校に推薦で行くことに何のためらいも無かった。
バスケが好き。こんなに面白いスポーツは他にないから。
だけど。それ以上に、蓮池君の存在は衝撃だった。
初めて、3ポイントを決めた日。
綺麗な放物線を描いて、リングに吸い込まれたボールを脳裏に描いて。
その日は中々眠れなかった。
初めて、試合に勝った日。
お風呂で、夕ご飯中、テレビを見ている時。突然気分が高揚してガッツポーズをしたっけ。
そんなバスケでの思い出を、蓮池君の存在は一瞬で打ち壊した。
いつも遠くを見ているその眼は、時折薄く細められる。
そんな時は決まって、笑う時なんだ。
いつもは立ち上げバングにしてるそのおしゃれな髪型も、月曜日だけはしてきていないことを知ってる。
何故か、月曜日は余裕が無い彼。
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