第45話
side 伊吹
「見えんかった。」
部活紹介。エースの俺は勿論、壇上に上がる資格を獲得していた。イケメンだしね。
授業をサボれたのは嬉しいけど、なにも英語じゃなくてよくね?
英語の松田先生(まつだ)のセクシーな声を少ししか聞けんやった。
残念でしょうがねえけど、やっぱり1年生の黄色い声には敵わない。
しかもいろはちゃん……長谷川さんを拝めるから意気揚々と意気込んだ。
なのになぜか体育館の明かりを消す演出を使った俺たちの素晴らしい出し物のせいで、いろ、長谷川さんがどこにいるかどころか黄色い声援の主すら分からない状態に。
考えた田中先輩(たなか)、流石赤点の常連だな。
ステージ横で探せばいいかと思ってたら、終わったら普通に帰らされ……
現在に至る。
1年もとっくに帰った今。教室で飯を食ってる郁に眉を下げた。
「なにが?」
卵焼きを頬張りながら、首を傾げた郁の色気が俺を変な世界へと誘う。
油断したらうっかりちゅうくらいしそう。
自分の中のアブノーマルな一面を垣間見た俺は、その世界に引きずり込まれないように、郁と少しだけ距離を取った。
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