第40話

郁たちを狙う女の子たち。


手に入れれるはずもないからと、蹴落とされた子たちを狙う男の子たち。



そんな【恋愛脳】な彼らと私は、同じ理由でこの学校を受験した。



だって私の目的も郁なんだから。



思わず笑ってしまう。



だけど彼女たちと違うことは、私は郁と過ごす為にここを受験したということ。



郁が望み、自分が望んで、ここを受験したということだ。



視線の種類を数えてみれば、後ろは分からないにしてもどうやら、私には友達が出来そうにない。



最後の生徒の自己紹介も終え、担任となる先生がなにやら話している間、そんな事を考えた。





だけど。私の中で友人と呼べる人間は1人しか思い浮かばず、そしてきっと彼女も、私をそう思ってくれているはず。



彼女と会うことはほぼないけれど、なにか固い何かで結ばれている、そんな繋がりを感じる。



それに、彼女も結構”良い性格”してるし。



今朝郁に言われたことを思い出して、笑みが漏れた。




「じゃ、学校の要所をみんなで回って、そのあと部活動紹介の為に体育館に移動する。それが終わったら解散だ。貴重品含め鞄は持って移動するように!」



そんな先生の合図で、各々ゆっくりと立ち上がりだす。

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