第38話
僕の愛は、穢い。
だけど、僕が愛情を感じるのは、”あの時”から……いや、出逢った日から、いろはにだけなんだ。
だから。
堕ちて欲しい。僕の所まで。
だけど僕の太陽は、そうはなってくれないんだ。
「だからこそ、僕にはいろはだけなんだけどね。」
首を傾げる伊吹にニヤリと口角を上げた。
僕を振り回して、追いかけさせて、焦燥を感じさせ、温かさを教える。
そんな存在、この世にたった一人、いろはだけだ。
親や友人、その他の女たち。
他の誰もがそれを感じさせてくれなかった。
だからこそ、僕は。
いろはを離しはしない。
伊吹の言っているように、いろはが傷つけば。
僕は僕という存在を賭けてそれを潰してやる。
「いろはを傷つければ、僕が敵に回るのに。」
なぜ女という存在は、そんなに浅はかなんだろう?
「っっ、」
伊吹が何故か息を呑む。
それを首を傾げて見ていた自分の瞳孔が開き、これまでに見たことの無い僕の表情に伊吹が恐怖を感じていたなんて、僕が気付くわけが無かった。
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