第23話

今日はちょっと、浮かれてる。



胸もドキドキしてて、心なしか体が浮いてるような、そんな錯覚を感じるんだ。


いろはは要所で写メを撮るのが好きだ。


僕の記録をしてるんだって。



だからいろはの部屋にあるアルバムは、僕ばかりが映っている。


そして僕の部屋のアルバムには、いろはの写真ばかり。


どうしてか、僕たち2人で映った写真はあまりない。


お互い、部屋に常に飾ってあるものだけだった。



アルバムには一切ない、2人の写真。



いろははどうしてか分からないけど、僕はわざとだった。


それはこれから、増やして行きたいと思うから。



一歩一歩、僕たちはこれから大人になっていく。



恋人として、人として、そして家族として。



中学校は我慢してきた分、自分の抑えが利かなそうで怖いけど。



現に今も、同じ学校の奴らがチラチラ見てくるけど、高揚している気分のせいか、いつもよりイチャイチャしたくなる。




いろはは僕のものだ。



狙うことすら、許さない。



「郁?」


「ん?」



男子生徒を睨みつけた僕は、いろはの甘い声に誘われるまま、視線を下げた。


僕を見上げるいろはの表情は強張っていて……

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