第20話
あれ?この子なんで泣いて……
「ごめんなさいっ、私みたいなのに好かれて、迷惑だよね?」
「は?」
ボロボロと涙を流す女の子は、ハンカチで涙を拭きながら俺に謝りまくってて。
今、なんか聞こえたんだけど。
「ごめんねっ。もう、話しかけないから。」
「いや、あの、」
もしかして、郁じゃなくて俺です?
そう気付いた時には、女の子は泣きながら走り去ってしまった後だった。
俺の上げられた手だけが、空しく浮いていて。
「ちょっと福田!あれどういうこと!?」
そんな俺の肩をクラスのギャルが強めに叩いたから。
「うっせー!お前等のせいだ!」
「えっ、なに!?ウチらなんかした!?」
ビビるギャルを振り切って、俺は走った。
自慢の俊足で。
『福田!高校生にもなって廊下を走るな!!』
「・・・。」
先生の怒鳴り声で、徒歩に変えたけど。
これは、文句を言うべきだ。
忌々しい郁め。俺は今、お前のせいで巨乳ちゃんを逃がしたんだ。
顔はいまいちだったけど、あれはDはあったぞ!
巨乳の恨みは怖いもんね。
鼻息荒く、教室のドアを開けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます