第18話

side 伊吹




絶句以外のなにものでもなかった。



校門には、俺たちの他に、まだ帰りきれてなかった入学式終わりの親子も沢山いて。


部活生もちらほら遠目に見えた。



郁と1年間一緒に過ごしてきたけど、蓮池郁という人間は、クール・冷静を絵に描いたような奴で。


女子とは話すけど、俺ほどくだけた付き合いをする子はいない。


にこにはたまに笑うけど、それが特別ではなかったんだと昨日の郁を見れば分かってしまった。



いろはちゃんに郁は、愛おしそうに、楽しそうに笑う。



色気も抜群。


いつもは歩くフェロモンなくせに、いろはちゃんを前にしたらいつもよりダダ漏れ。



そんな郁に笑い返すいろはちゃんは……




はっきり言って別次元。



にこも可愛い。井上も綺麗だ。


だけどいろはちゃんは、自然体なんだ。


おっきなくりくりとした目は少し猫のように尖っていて、頬はぷっくりと柔らかそうだし、唇なんかぽってりと気持ちよさそう。


身長は160くらいだと思うけど、なんとなく、全体的にちっさく見えちゃうな。


ほっそい足は真っ白くて、爪先は艶々。


制服はきっちりと着こなしてて、胸元には郁のネクタイが揺れている。



んん。あれは、胸もでかいね。グラビアハンターの俺が言うんだから間違いない。

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