第6話

『誰だろうね?あのネクタイ、手に入れるの。』


『にことあの女でさえ手に入れてないんだよ?他は無理くない?』


『でも・・・』




チャンスは、有るよね?



女子生徒たちが狙う彼のネクタイは、一体誰が獲得するのか。



2年生に上がった郁は、そんなことを話されているとは知らずに、伊吹の話を聞きながら窓の外を眺めていた。




彼の黒目に映る桜。



彼が見ているのは、誰?



『あーあ、ライバルが増えるよね~。』



今日郁たちは始業式。



そのあと、難関の受験戦争を勝ち抜いてきた、新入生たちを迎える入学式が始まる。




クラスメイトの声が聞こえていたにこは、不安に顔を染めた。

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