第4話
白黒……オセロとまではいかないが、この正反対とも言える2人はこの学校では1番有名な親友同士だった。
『ヤバ!今日も朝からカッコいい~!』
溜息と共に、女子生徒の1人からそんな言葉が吐かれる。
頬を染める彼女たちを否定する人間なんていない。
彼らの整いすぎた容姿は、誰しもを魅了し、そして、一方的に話す伊吹の話に郁が時折見せる笑顔は、この場の誰もが見入ってしまうからだ。
ザワリ……、
教室が少しだけ、沸いた。
教室に入るなり、先ほどの郁同様、ひたすら目的地を目指す彼女。席に座って談笑している郁に近付く内、今度は男子生徒に挨拶をされ続ける。
「ニコおはよう!」
「はよ~!」
女子にも笑顔を向けられる彼女は、松本 にこ(まつもと)
真っ黒な長い髪を大きなシュシュでいつも左側よりに結わえている彼女は、大きな目を細めて郁を見つめる。
高い鼻は彼女の強さを表し、いつも笑っている唇は色付きリップが艶を出していた。
「蓮池くん、おはよう!」
彼女の挨拶で、郁が顔を上げた。
少しだけ上がった口角。
その動作はにこを有頂天にさせた。
「はよ。」
帰った言葉ににこは思わず頬を染める。
蓮池郁が笑いかけてくれた。それだけで彼女は優越感に支配された。
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