第52話

だって頼のあのクソみたいなアプローチを前にして黒蜜は、関係を一歩前進させたわけ。


普通の人なら友達からなんて、肩透かしだけど。



あの頼のひどさを考えれば、めちゃめちゃ大きな前進だ。



普通なら嫌いになると思う。



そう思うなら私も注意してやればよかったと思うんだけど。



……ひどすぎてもう手が付けられなかった。



今日はいつもの週末だけど、頼は絶好調だ。入学以来、黒蜜に会えない週末は大嫌いで何度もため息を吐いているのに。



「はぁ……黒蜜君。」


「……。」


今日は別の意味のため息吐きっぱなしだけど。


つうかこっちの方がメンドクサイけど。



でもどうやら私の親友は、あの行動でまさかの黒蜜の友達というポジションをゲットしたらしい。



黒蜜って、趣味変わってる。これで付き合い出したら私は、あいつをゲテモノ食いと呼ぼう。



ピロリン♪


「ウフフフフ……、」


「……。」



あと、メッセージは控えるように厳重に警告しておこう。



小さくため息を吐いた。

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