第51話
side 光里
「友達って、結構難しいと思う。」
「っっ、」
浮かれてるとこ、悪いけど。友達って結構、難しい位置だと思う。
関係はランクアップしたのかもしれないけど結局、黒蜜は選択できる関係で、一番楽なものを選んだ。
友達って、聞こえはいいけど、それからすぐ恋人に進展できるかと思えばそうじゃないし、逆に黒蜜に別の彼女ができたとしても、友達だから責められない。
それどころかその女と黒蜜を指を咥えて見てないといけない日が来るかもしれない。
「友達は友達。まだまだだよ。」
「……分かって、ます。」
俯いた頼。確かに関係は進んだんだ。なのにちょっと、可哀想だったかな。
しんみりとした雰囲気に気まずくなって、頼の肩を慰めるように撫でた。
だけど……
リンロン♪
「っっ!」
着信音に反応した頼は、ガバリと顔を上げて、机の上のスマホに一直線に飛んで行った。
画面を明るくした途端、その画面よりも明るい笑顔をこぼして。
鼻歌が聞こえてきそうなほどのご機嫌さで指を滑らせる。
「はいはい。」
呆れのため息を吐いて、寝転んだ。
逆にこれは、喜ぶべきことかもしれない。
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