第35話

決してストーカーまがいの質問攻めで相手を引かせることなんてしていない。



さて、当の頼様は、というと。



チーーン、って音が聞こえてくる程の呆けよう。


廃人のようにただ、笑い合う2人を見つめている。



それにこのところ、灰島と黒蜜で喋っちゃって、頼はほぼ黒蜜と喋れてないのが現状。


何かを話そうとすれば隣から割り込まれ、全ての機会を奪われていた。



気に入らない。


私の眉間に皺が寄る。


大体黒蜜も黒蜜じゃない?そりゃ無理矢理だったけどさ、頼と楽しそうに話してたりもしてたじゃん。


あの女、あからさまな妨害してるのに、黒蜜は止めるどころか黙認してるし。



やっぱり厄介な頼から離れられてホッとしてるんだろうか。



でもあんたが楽しそうに話してる灰島ちゃん、そいつもお嬢様ですよ。


【灰島モーターズ】


バイクを中心に売り出していたけど、車事業に手を出し、最近頭角を現してきた会社だった。


今の社長一代でここまできた所謂成り上がり。



まぁ顔は、普通の普通、成績も普通。普通な女だから普通の黒蜜にはお似合いじゃない?



フンと鼻を鳴らして、楽しくおしゃべりしている2人の前に立った。

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