間(あいだ)
第28話
side 頼
「クラスメイトと、友達の間って、なんて言うと思います?」
「んー?」
土曜日。私の部屋のベッドの上でアイスを食べている光里にそう聞けば、どうでもよさそうに視線を外されてしまいました。
「青(あお)先生は、どう思いますか?」
「ん?そうだなぁ、知り合いでもないし、他人でもない感じ。確かに、難しいね。」
そう微笑むのは、青山湊(あおやまみなと)さん。うちの学校付属の大学院生で、私の家庭教師の先生です。
私が中学に入った頃、その頃教えてくださっていた家庭教師の先生が田舎に帰ることになり、急きょ、来ていただいたのが、その先生のお知り合いだった青先生でした。
表情はいつも柔らかく、私にとても、優しく教えてくださる方です。
とても優秀な頭脳をお持ちの方で、大学院でも屈指の秀才だと聞いています。
「さて、ここを終わらせてくれるかな?それまでに考えておくから。ちょっと席を外すよ?」
「はい。」
私に微笑んで、先生は部屋を出て行ってしまいました。
それを見送ると、問題に意識を傾けます。
その間も私の頭を、黒蜜君の笑顔がちらついて……
少し、いやかなり、集中できそうにありません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます