お嬢様の攻撃【完結】

第27話

この毎日の習慣が始まったおかげか、白坂は黒蜜に告白をしなくなった。

どうやら彼女なりに、”攻め方”を変えることにしたらしい。

でもそれだけで、黒蜜の負担は結構減ったと思う。……また次の困難に出会っちゃったけどな。

何を書いてあるのか知りたくもないメモを片手に、黒蜜に迫っている白坂を白目で見ながら思う。

これは一生、こいつら付き合えねえな。

まぁ、俺には関係なかったりするけど。

だけどなんだろう、なんとなく、黒蜜は、白坂を受け入れる気がしてしまうんだ。

それは、俺たちの”偏見”のせいかもしれない。だけど、黒蜜の態度に、なんとなく、感じるものがあって。

この不器用でバカな２人を、おせっかいババアみたいにくっつけてやりたい衝動に駆られてしまう。

黒蜜のお嬢様のイメージは、あながち間違っていない。俺も数々のバカ行為を目撃してきたからだ。

だから俺も、黒蜜のお嬢様嫌いは理解できるんだけど……

白坂頼。こいつだけは……

「ふふふ、今日もたくさん、知ることができました。ありがとうございます。」

「はぁ、」

この、黒蜜に向かって深々と頭を下げているこのお嬢様だけは、別に見ても、損はしないと思う。