第17話
side 光里
「だめらしいよ、”お嬢様”。」
「は?」
黒蜜はいわゆるお嬢様という人種が嫌いらしい。
お嬢様でも最上級に位置する白坂頼に好かれているのに、とても贅沢なことだと、流は笑った。
それは中学の時に同じ学校にいた子が原因らしいけど。
付き合ってたとかそういうのじゃないらしいけど、どうやらその女はあまり”良いお嬢様”じゃなかったようだ。
「マイナスなイメージしか持ってないお嬢様に告白されたらそりゃ戸惑うよね~。」
「そんなの、偏見じゃん。」
口を尖らせた。
世間的なイメージだろうか。お金持ちは傲慢で、自分勝手。お嬢様はその立場を利用して人を虐める。
そんなの、世間が勝手に植え付けたイメージにすぎない。
「でも俺たちもさ、黒蜜みたいな”凡人”は下に見てるだろ?」
「……。」
それに否定はできなかった。だって頼が黒蜜に告白をした時、正直釣り合わないと思ったから。
それこそ人から見れば、傲慢でしかなくて。
思わず俯いてしまった。
「人の生まれの差で、ギャップが出るのはしょうがないことだと思うよ。文化が違う。」
そう言った流も、国内に何店舗もある有名ヘアサロンを経営している両親の元に生まれた。
何不自由なく育ってきた私たちは、それができない人間たちを理解するのは大変だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます