第13話

告白は別扱いとして。



頼がもじもじしすぎて普通のクラスメイトとしても成立できてないのが現状だったりする。



だからいきなり友達とは言わないけど、とりあえず校門から教室まで、一緒に話しながら歩いてみれば?



そう提案した。



クラスメイトなら偶然会ったらそれくらいするだろうし?



「ちょっと、無理かもしれません。」


「毎度毎度告ってるやつが言う言葉じゃないよね。」



ほんとにさ、どういう神経してんのこいつ。


1週間に1度は告白してる奴がなに言ってんだか。



「それは、そうですが……」


「おはよう。」



続きを言おうとしていた頼の背後で、誰かにそう話しかけられた。



視線の先には……



「黒蜜君……。」



黒蜜が相変わらずの、気まずそうな表情で立っていた。



呆然とする頼と、『なんでお前が話しかけてくんだよ?』と眉を潜めた私を前に、黒蜜はそのぎこちなく歪んでいる頬を指先でかいた。



「じゃぁ、」


私たちが挨拶を返さないからか、黒蜜は諦めたようにそう言ってすれ違おうとする。



その声にハッと我に返った頼は、


「おはよ、うございます。」


ぎこちなくも、はにかんでそう言った。

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