第11話
その瞬間、彼らには”何かしら”の不幸が起こる。
基本的には、
『白坂頼を泣かせた。』
という汚名を着せられる。
どうやら、黒蜜の危機を聞きつけた頼が、とても都合のいい場所でそれを嘆く。
『こんなことを聞いたけれど、貴方はそんなことしないですよね?』
と、涙ながらに訴えるんだ。
それを聞きつけたファンクラブが知らぬ間に彼らに制裁を加える。
ちょっと、頼ちゃんったらコワイ。
黒蜜もそれに気付いているから振るんじゃないの?
私ならこんなに腹黒い彼女嫌だし。
一高校生のただのいじめの企みが、実行される前に頼の耳に入る。それって結構、大変なことだと思う。
どうやら頼の”情報収集能力”は普通じゃないらしい。
さすが白坂家。
「あ、」
頼の声で我に返って見ると、今まさに帰ろうとしている黒蜜の背中が。
「く、黒蜜君っ、」
「え?」
慌てて彼に近づいた頼は。
「さよなら。」
もじもじと、頬を染めてそう言った。
「「「……。」」」
とりあえずの間。黒蜜を含め、その場に残っている生徒みんなが。
そして黒蜜は、ぎこちなく笑う。
「ああ、さよなら。」
「っっ、」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます