第4話
side 光里
本当に、最近の頼ったら見てらんないんですけど。
白坂 頼(しろさかより)この学校の全校生徒が、彼女の名前を間違いなく知っていると思う。
頼の家は、白坂グループという超大規模な財閥のトップに位置する。
上にお兄さんがいるけど、グループの大きさのせいかきっとこの子も将来、財閥を背負う立場にいるんだろう。
黒蜜の偏差値ほめちぎってるけど、こいつの頭の良さの方が異常だからね。
この高校で常に全教科満点を取り続けているこの子に黒蜜なんて敵うわけがない。
真っ黒でストレートな髪を胸元まで垂らし、艶やかな唇を誘うように開けている彼女の大きな目は今、まっすぐに黒蜜へと向かっている。
入学式で、この子は黒蜜に一目ぼれをした。
どういう経緯かは分からないけど、新入生代表の言葉をつらつらと読んだその直後、全体に視線を滑らせた頼は、その綺麗な真っ黒な瞳をある一点で止めた。
そして、ふわりと、微笑んだ。
その笑顔に誰もが息を呑み、入学式の雰囲気は少し、浮ついたものとなった。
そんな頼の視線の先にいたのが黒蜜だったのは、今更聞かなくても分かることだ。
そして入学したその日、教室での教師の説明が終わった直後。
頼は、黒蜜に告白した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます