第35話
狗神の一族は、古来より枝分かれし、かなりの数に登る。その中で、あの広大な敷地の中に住んでいるのは、京極家だけ。
そして神の血を引く一族を差し置いて、神に仕える従者たちの家々があった。
昔で言えば、江戸時代のような造りだろうか。殿様が見下ろす城下町。それらをすべて城も含め、城壁で囲っているようなものだ。
殿様の血を引く者ならば、昔は重宝されたものだ。しかし狗神にとってそれはまずない。
「八神の家を含め、狗神の一族は一般人としての生活を強いられる。」
彼らは自分たちの生まれを誇り、傲慢に顎を上げる。しかしそれは、京極家にのみ許されること。彼等は所詮、穢い犬の血を引く者たちでしかない。
「犬の血を引く者は、不思議なことに嫌われてしまう。苛烈ないじめに遭うのは当たり前。しかし、狗神の一族ということで目にかける者たちも少なくはない。」
例えば、八神朝陽。彼は容姿までもが京極玲に近付いていたと言われている。
京極玲が妻、雫の大学に姿を現した時の写メを見てみればなるほど、一族では神にしか表れないと言われている【金色の眼】がそっくりだった。
他のパーツも、親戚というだけあってなんとなく似ている。
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