知りたがり
目
第33話
side ???
「貴方も知りたいでしょう?」
「……。」
個人経営の喫茶店は、その街に深く根付いているところが多い。チェーン店に囲まれている現在(いま)では経営が困難で、古参の店でさえ潰れてしまう。だからこそ、古くからある店は多くの常連客を抱えている。
喫茶店の良さは、人の入りがあまり多くないこと。そして、なんの心配もなくこうして人に聞かれたくないことを話せることだ。
常連の人間が座る”定位置”を避け、話ができる席さえ確保すれば、この閉め切られた空間に水を差す者なんていない。
常連客も、マスターも、干渉してこないのがいい。俺の前で黙り込んでいるこの人と一緒の所を見られたくない俺には、とてもやりやすい場所だった。
「京極家はね、殺人すらもどうでもいいこととして片づけられる。そんな腐り切った場所なんですよ?」
「っっ、」
俺の言葉に顔を歪めたこの人がどうにかうまく動いてくれれば、これまで誰も知りえることのなかった京極家の実態が暴かれる。
「3年前、神と名乗る青年がいました。」
彼はサイト上で姿を現し、神の座に座ると信者を募った。
「そんな彼は今、行方不明だ。」
それなのに、サイトの信者も、世間も、彼を探すことはない。
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