第2話

強く見返した私に、玲はぴくりと、その真っ白な頬を引くつかせた。



「……はぁ、地平が”犠牲に”なっている。」



そう言って私の胸に顔を埋めたこの人はもう、私の質問に答えることはしないだろう。



「んんっ、」



律動を早めたことがそれを証明している。



「っっ、雫、」


「あっ、」



それに同じく嵌まり込んでしまう私は、それくらいには玲の体に夢中になってしまっていた。



---、



「……はぁ、」



玲が私の中で果てて、ぐったりと覆いかぶさってくる。そして切なくため息を吐き出すこの瞬間が、たまらなく好きだった。



ゆっくりと玲の汗ばんだ背中を撫でれば、敏感になっているそこは痙攣のようにピクリ、ピクリと反応を見せる。



そして。


「っっ、」



必ずそれに抗議するかのように。はたまた所有を主張しているのか。私の肩に、玲の歯が食い込む。



ギリリと食い込む歯は私の肩を食いちぎろうとしているかのよう。



それでも痛いはずのそこからは、愛おしさを感じる熱が湧きあがって。



「愛してます。」


「ああ。」



そこが”ボタン”のように、この言葉を吐き出す。

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