第22話
「あの、私、総長室に……、」
「あっ!行っといで!」
「ちゃんと喘ぐんだよ!」
「しっかり!」
みなさんの激励?をバックに、総長室に入った。
扉を閉めれば、お酒ではしゃぐみんなの声も、お姉様たちの甲高い声も聞こえない。大きく響いていた音楽も、バイクの排気音も聞こえない。
「はぁ、ははっ、」
思わず零れたのは、笑い声。
すっごく恥ずかしいけど、英輔くんをぶん殴ることは確実だけど。
「いい人たちだなぁ。」
《ほんとにね。》
総長部屋はとても広い。だけどあるのは机とベッドだけ。小さなミニキッチンにシャワー室、トイレまで完備しているもんだから、ここに住もうと思えば住める。
ベッドサイドのテーブルには、デジタルの時計があって、そこに表示されている10時36分の表示に、胸が高鳴った。
ベッドの向こう側には、大きな窓がある。そこから、ちょっとしたバルコニーに出れて。目の前には海が広がっている。
ふ頭にある倉庫にDarkの拠点があるからだった。
幸樹くんはいつもそこで、たばこを吸ってて。さっきまでそこにいたからか、バルコニーの縁には灰皿が乗ったままだった。
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