第20話

「いいの?痛いよ?やめるのは今!」


「ちょっとカナ。あんた付き合ってすぐヤったくせしてなに言ってんの。」



歴代の姫の方々は、10名ほど参加していた。


明らかに夜の街で働いてらっしゃる感じの人だったり、なぜか着物を着ているいかにもな雰囲気の人だったり。


ジャージ、なんてとんでもなくラフな格好の人もいれば、すごくおしゃれな格好の人もいる。



だけど共通して、みなさんは優しい。


私を姫の後輩として、とても可愛がってくれる。



「だって可哀想じゃん。幸樹ってベッドじゃ鬼畜って有名だし!私の可愛い芽依ちゃんが壊されちゃったらどうすんの?」


「……。」



今にも刺さりそうな爪で私の胸元を指すカナさんが、すごい力で私を抱きしめる。胸が当たって苦しいんですけど。


それに、なかなか傷つくことをサラッと言ってくれちゃって。



「ちょっと~。幸樹のクソ武勇伝はいらなくない?処女芽依ちゃんが傷ついちゃうでしょ。ほんとカナってデリカシーない。」


「あ”?」


「……。」



にらみ合う2人の間、私は小さくなりっぱなし。怖いんですけど。レディースに入ってた姫もいるって聞いたことあるけど、絶対カナさんだよね?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る