第19話
9月8日は、記念すべき日だった。
Darkを作った初代を祝う日。
歴代の先代さんたちが来て、倉庫で祝う。
自分たちの青春を懐かしみ、現役のチームメイトをねぎらう。
そこにあるのは、男の世界。なんてみんな思ってるけど、そこに参加するのはなにもDarkのメンバーだけじゃない。
歴代の姫。彼女たちもいる。
私はというと、彼女たちに囲まれて、幸樹くんが暴走から帰って来るのを待っていた。
暴走の時、総長は車に乗る。だけどこの、先代のための記念の暴走だけは、バイクに乗ってみんなと一緒に走る。
幸樹くんは去年も、この日を楽しみにしていて。バイクが、みんなが、本当に好きなんだなって思う。
少し嫉妬しちゃうくらいにはね。
幸樹くんはいつも寡黙で、あまり笑うこともしない。だけどそんな幸樹くんが、みんなと無邪気に笑いあってる。
ここは不良の集まりで、やってることも違法だけど、みんなが心を寄せ合っている場所。そう思う。
「もうすぐぅ、私たちの可愛い芽依ちゃんが食べられちゃうんだぁ。」
「……。」
英輔くんのせいだ。絶対。
嘆息するお姉さんたちのにやにや顔の正体は確実。
英輔くんのせいだ。
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