第12話
『一目ぼれした。絶対大事にするから付き合ってほしい。』
ツーブロックの緑がかった黒色の髪。その特殊な色の髪を照れくさそうに撫でて、誠実そうな目で私を見た幸樹くんは、明らかに不良な出で立ちなのにそうストレートに言ってくれた。
即答したのは、私も、幸樹くんを一瞬で好きになったから。
照れくさそうなその笑顔にドキドキしたからだった。
明らかに不良だったのに、ほんとに不良だって知った時は怖かった。
しかも幸樹くんはそれだけじゃなくて、Darkの頭。
『頭って。頭、頭だよね?つまりトップな訳で……。』
『……。』
なんて、普通にテンパってしまったのは今でも思い出せる。
正直、怖かった。
暴走族の姫になれって言われた時はなおさら。
だってよく聞く話。
拉致・監禁・暴力。そういうことが平気でよくある、そんな世界だって。
でも、幸樹くんは私に隠さずすべてを説明してくれた。
姫になることで、自由も奪われるし、普通のカップルみたいに行きたいところには連れて行ってやれないって。
『だけど、お前に俺が見ている世界を見せてやりたい。』
そう言って歯を見せて笑う幸樹くんの、子供っぽい無邪気な笑顔に、怖さなんて吹き飛ばしてしまったんだ。
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