第7話

side 理人



「お出かけっすか!」


「……うん、購買に、ね。」


「お疲れ様っす!」


「ああ、うん。」




ほんと、不良ってなんでこんなに馬鹿な質問するんだ?



購買に向かってると言われてなんでお疲れ様になるのか。こんな無駄な話するくらいなら話しかけなきゃいいのにな。


「幸樹(こうき)さんはもうすぐ来るみたいですよ。」


「……そっか。」


「では、失礼しまーす。」


「じゃあね。」



あっさりと、芽依の顔から”笑顔”が消える。



篠田幸樹(しのだこうき)この辺一体を仕切る暴走族、【Dark】(だーく)の頭だ。



そしてこの、鈴森芽依は、そいつの女。


つまりはDarkの姫的存在ってことになる。


今なんの生産性もない会話をしたのは、Darkの下っ端に当たる奴だ。



彼氏の名前が出た時点で、芽依の顔が曇る。それだけで、2人の関係がうまくいっているものではないのは、誰にでも分かるはず。


いや、馬鹿は分からないらしいな。




「行こうか。」


「……ああ。」



しゅんとしだした芽依がウザいが、さっきの下っ端の方がウザい。



この女がこうなるとかなり面倒で。



「「……。」」


空気も重くするからウザい。

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