第27話

だけど、最後の一緒に寝る、というのは正直、無理だと思った。雀のベッドはいわゆるキングサイズで広い。端と端、一切身体が触れ合わないくらいの距離で寝れるからまだマシなんだろうけど……



一応私、女の子なんですが。



それとも、家までついてきた私は軽い女だと思われてるんだろうか?



そりゃすでに初日から一緒に寝てるから、説得力がないのかもしれないけど……


「雀ったら。」


「……ん。」



でもこうやって、結局押しきられて一緒に寝てる私も私なんだ。




でも。



「雀!」


「はい、起きた。起きたー。」


「……起きてないじゃん。」



雀の、寝ぼけた顔を見ると思わず笑顔になってしまう。



毎朝なぜか、私をその潤んだ焦げ茶色の目でじっと見つめたあと、嬉しそうに笑っておはようって言うところとか、もうなんか色々と、溜まらない気持ちになっちゃうし……。



そういうのを毎朝見るのも悪くないかも、なんて、ほだされちゃってる馬鹿な自分もいたりするんだ。



雀のことで分かっていることは、少しだけ。



朝が弱いこと。


やたら女子力の高い世話焼きだということ。


そして時折、私をジッと、観察するように見つめていることがあること。それくらい。



「もう。」



いつまでも起きないこの超絶イケメンは、謎が多い。明らかに若いのに、この年でこんな家に1人で住んでる。



家族は?恋人は?そもそも仕事は?



時折ノートパソコンで何かしているということは、ライターさんとかそういうんだろうか?

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