第23話
「あ、コーンスープ、飲む?」
「……は?」
冬華さんの笑顔は、とてもかっこいい。人より少し尖って見える八重歯の覗くその攻撃は、思ったより私にはよく効いてしまうらしい。
ーーー、
そして言った側から、ほんとに…
「はぁ。」
「旨いか?」
「……はい。ありがとうございます。」
私って、ほんと、意外と能天気の馬鹿なのかな?
さっきまで怖がって号泣していたくせに。
冬華さんの家のリビングのソファーに座ってなぜか、コーンスープを飲んで寛いでいる。
そんな私を隣…いや、もはや真隣というほど近い距離にいる冬華さんがにこにこ笑顔で見守っている。
太もも同士が密着して、冬華さんの組んでいる長い足が、私が立ち上がるのを阻止するように前に壁を作っている。
ソファーの背もたれの上、私の首裏には冬華さんの手がすらりと延びていて、もう一方の手はいつでも動けるようにか組んだ足の上で休んでいる。
「冬陽は冷え性か?まだ少し冷たいな。」
「っっ、」
冬華さんの指が、私の指先をなぞった。びっくりしてしまって思わず、スープのコップを落としてしまいそうになる。
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